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西方浄土

釈尊は29才で出家し、35才で覚りを得られた。覚りをえられたのは朝日が差す菩提樹の木の下であった。そして長い年月の布教の後、80才で亡くなった。頭を北にし、夕日が沈む頃だった。

仕事を終え帰路につくのは、夕日が沈んだ後が多い。しかし夕日に向かって帰路につく時、夕日をまばゆく見つつ、「西方浄土に極楽がある」と信じた人々の気持ちが分かる気がする。一日が終わった充足感と帰るべき家がある幸せは、極楽に等しくはないか。古来より「太陽信仰」はあったけれど、「西方浄土信仰」とは違う。それは西に沈む夕日の荘厳さに感ずる、神々しさだ。仏心とは、そんな所にあるのではないだろうか。思わず手をあわせたくなるような感覚・・・。

島根に「宍道湖」という湖がある。ここは夕日が湖水を金色に染める、その美しさで知られる。観光としても、また信心としても「夕日」はあがめられている。

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